「サザエさん」のスポンサー入札では
10社近くの参加企業
から選定が行われたという。東芝が撤退を表明した昨年11月、「高須クリニック」の
高須克弥院長
がいち早く手を挙げ、広告代理店とフジテレビに連絡したことをツイッターで表明していた。高須氏は昨日、ツイッターで
「いま広告代理店から報告。『サザエさん』のスポンサー入札に負けてしまった」
「一番に手をあげて『邪魔するな』ってお願いしたのに…」
「奮闘努力のかいもなく大企業の皆さんに力負けした」
「悔しい なう」
と“敗北宣言”した。ご立腹のようだったが、その後、フジ側のおわびを受けたようで、再びツイッターで
「フジテレビの偉い方から丁寧なお詫びを頂いた」
「誠意はわかりました」
「かっちゃん(高須氏)はもう愚痴りません」
「仲良くやりましょう。なう」
と怒りをおさめた。さらに「LINE(ライン)」の舛田淳取締役もツイッターで、入札に敗れたことを明かし
「残念」
とつぶやいた。東芝が48年にわたり「サザエさん」のスポンサーを務め、1998年まで1社提供を続けていたことで、番組冒頭やエンディングでサザエさんが語る
「エネルギーとエレクトロニクスの東芝がお送りいたします(いたしました)」
のセリフが耳に残っている。新スポンサーとなる西松屋チェーン、アマゾンジャパン、大和ハウス工業は、日曜日の夜に家族が揃って楽しめる人気番組で、3社はいずれも提供企業に加わることでイメージアップなどの
宣伝効果を期待
している。気になるスポンサー料はいかほどか。
「推定ですが、1社で月7000万円前後、年間約8億円といわれています」
「一般の視聴者は高いと思うでしょうが、大手企業にしてみれば、すべての世代の男女に訴えられることで、企業イメージを上げると思えばさほど高くないでしょう」
と広告代理店関係者。さらに最近の視聴率低迷で落ち目のフジテレビにあって、このサザエさん枠だけは
“ドル箱”
ともいわれていた。別の代理店関係者は
「視聴率も安定していたし、視聴者層もはっきりしていたので、フジでは他の時間枠が値段を落としていたのに、この時間枠だけは値段が下がらなかったといわれている」
とも。東芝は、エアコンやカラーテレビといった家電の普及が進んだ高度経済成長期末期の
1969年に「サザエさん」の提供を始めた…
事業の軸足がパソコンなどの情報通信分野に移り、
1998年に1社提供から撤退…
2016年に白物家電事業を中国企業に売却したことなどから、スポンサーを続ける意味合いが薄れ、
昨年11月に降板を発表
していたというのだが、僕が思うに、
新スポンサーの共通点は「家族」…
ゆえに、高須クリニックやLINEが落選したのだろう。カネだけの問題ではない。「サザエさん」枠は今やフジにとって唯一、ブランドイメージが保てる枠なのだから。